卒業生レポート
来年、人生の節目として還暦(60歳)を迎えるにあたり、これまでの自分の人生を振り返って考えていた時、17歳の時に普通自動二輪の免許を取得し、友達と一緒に江ノ島にツーリングに行った時のことを思い出しました。高校時代は誰もが意気軒昂で前を向いて突っ走っていたように、バイクに乗って風を切って走る瞬間はとても気持ちが良かったことを記憶しています。 しかし、18歳で大学進学と同時に自動車の免許を取得してからはバイクに乗る機会がありませんでした。それから40年の歳月が経ったある日、ヤマハのSR400の生産終了というニュースを耳にしました。SR400は高校時代に友人が乗っていたバイクでした。「バイクのひとつの時代が終わったのかなぁ」と郷愁にふけていた時、なぜだかわかりませんが、もう一度バイクに乗って走ってみたいと漠然と思ってしまったのです。映画「大脱走」のスティーブ・マックイーンのように、軽快にバイクを走らせる姿に憧れた若き時代のように、ただバイクに乗ってみたいと還暦間近のおじさんが奮起してしまったのです。
「バイクに乗ってみたい」と思っていても、バイクを買っていざ公道で走る勇気はなく、すでにバイクに乗るための技量や知識はまったくないと言っても過言ではありません。まさに初心者同様です。リターンライダーなんてカッコ良い言葉で片付けられません。なんと言っても40年以上もバイクに跨っていないのですから。 自動車教習所は免許を取得する学校だし、警視庁のバイクスクールはバイクを持ち込まないといけないし、なんとかバイクに乗るための技術や知識を安全に習得する方法はないものかと試行錯誤していました。とりあえず、自宅から一番近い教習所「足立自動車学校」のホームページから資料請求をしてみることにしました。藁をも掴む思いで、もしかしたら何かヒントがあるかもしれないと思ったのです。
足立自動車学校から資料はすぐに届きました。翌日、営業・インストラクターの山本さんから資料請求の御礼と丁寧なメールが届きました。ここから山本さんと私の3ヶ月以上にわたる長いメールのやり取りが始まるのです。山本さんは面識のない私のバイクへの想いに耳を傾けてくれて、親身になって相談に乗ってくれたのです。 営業そっちのけ(笑)で教えてもらったのが、ホンダが運営する「交通教育センターレインボー埼玉」という安全にバイクの技術を磨くスクールでした。私は、1日で4〜5時間はバイクに乗るこのスクールの初級に4回通い、40年以上のブランクを払拭するために懸命にバイクに向き合いました。結果、バイクに乗る楽しさを思い出し、技術も上達していく中で、安全に運転する技術を教習所でもう一度学びたいと思い、大型自動二輪の免許も取得するべく、足立自動車学校に申し込みました。 そして入校日当日、山本さんはわざわざ私に挨拶に来てくれたのです。私は、「山本さんがアドバイスしてくれなければ、バイクに乗ることを諦めていました。心から感謝しています」と直接お礼ができて本当に嬉しかったです。この一期一会に感謝です。
私の場合は、普通自動二輪の免許を持っていたので、技能教習の第1段階で基本操作、運転姿勢、S字・クランク、スラローム、一本橋、波状路、坂道発進などで5時限、第2段階で法規走行、急カーブ、急制動、急回避や危険シミュレーターなどの教習で7時限でした。1時間の教習はあっという間に終わります。トータルで12時間もきっとすぐに過ぎてしまうだろうと思い、毎回教習が終わった後、家に帰って30分以上は頭の中でイメージトレーニングによる復習を行い、次回の教習前には同様に30分以上は頭の中でイメージトレーニングを行いました。そして教習がない時でも毎日頭の中でイメージトレーニングをしていました。それでも楽しくてまったく苦なくやっていました。実際の教習でコースを走るより、頭の中でコースを走った回数は多分10倍以上だと思います(笑)。 山本さんに教えてもらったのですが、教習車のNC750Lは一昔前のCB750と違って車重こそ重たいのですが、低重心とアクセルを開けると緩やかでトルクフルなエンジン、そして強すぎないブレーキで乗りやすくなっているとのこと。確かにクセがなく扱い易かったと思います。バイク教官の先生方も皆個性豊かで、安全にバイクを運転するために必要なことを的確に指導してくれます。時には厳しく(思いやりのある厳しさ)、時には優しく、私の場合、不思議とこの両極端な厳しさと優しさを持って教わったことはしっかりと身に付いていました。
コロナ禍で不安に思うこともあるかと思いますが、足立自動車学校は安全・安心のコロナ対応をしっかり実践していると感じました。建物内は風通しもよく清潔で、密にならない工夫を至る所でしています。何よりも嬉しかったのは、建物に入った時のスタッフの皆さんの挨拶も清々しく、とても明るく声をかけてくれます。ある日受付で教習原簿を渡してくれた時には「今日はみきわめですね、頑張ってください!」と声をかけていただき、緊張の糸が少し解れました。 入校受付を担当してくれた石田さんは、大型二輪の免許取得までの流れをとても丁寧にわかり易く説明してくれました。教習計画表の作成の時など、私がスケジュール帳と睨めっこをしながらいつにしようかと教習の日時を決めかねている時にも笑顔で気長に待っていてくれました。このように、スタッフの皆さんは親身になって相談に乗ってくれますので、楽しく安心して教習できる環境を整えてくれています。 お陰様で、無事に大型自動二輪の免許を取得することができました。これからどんなバイクに乗ろうかと考えるとワクワクしてきます。還暦の時に魔除けとして赤色の衣服を身につけたりしますが、私の場合は、還暦に赤色のバイクを購入しようかと思案しています。